忘れられない人の話
小学生の頃に好きになったジュニアがいた。
しっかりした眉にクリっとした目が印象的な人だった。
当時は雑誌の切り抜きを集めて、彼の所属するグループがCMをしていたチョコレート菓子のポスターや店頭ポップまで集めていた。
CDデビュー、冠番組、CM・ドラマ・舞台出演、大学進学、順調だった。
「ずっとそばにいるよ」という歌詞を信じていた。ずっとアイドルとして輝く彼を応援できると思っていた。
グループのメンバーが1人増えて6人になり、その後2人が脱退し、途中加入した1人ともう1人が別のグループへ。
2人が残され、グループはなくなった。
こうして私の好きな人は事務所をやめた。
俳優へ転身した彼のことは遠くから眺めていた。
「アイドル」の彼が忘れられない、でもやっぱりまだ好き、いつか心の整理がついたら舞台を見に行きたい。
そう思っている間に彼は芸能界を去っていった。
今でもいちばん後悔している。
会いに行けばよかったと。
あなたが好きだと言っていた紅茶も、
あのチョコレート菓子の甘さも、
顔も声も忘れられない。
昨年、脱退後にデビューした2人の所属するグループのコンサートへ行った。
モニターで流れたジュニアの頃の映像に手の震えと涙が止まらなかった。
まだこんなに好きなんだと、こんなに会いにいかなかったことを後悔しているんだと改めて感じた。
机の上に置いているブロマイド、デビューした2人、今も俳優として活躍している彼と共に最後に残ったもう1人、仲の良かった俳優、出ていた舞台。
あちこちに彼を思い出すきっかけがあって、今でもまいにち彼のことを思い出す。
デビューして、活躍して、「なんか遠くに行っちゃったね」なんて言ってみたかった。
今どこで何をしていて、元気なのか、生きているのか、何もかもわからない遠くへ彼は行ってしまった。
昨年末の彼の誕生日、Instagramで「相棒」「お誕生日おめでとう」と彼の誕生日を祝ってくれた俳優のおかげで「ああ、まだ元気でいてくれてるんだな」と思った。
嬉しくて嬉しくて、時々その投稿を見返しては彼のことを思い出す。
「いつまでこの世界にいてくれるか分からないから、会える時に会いに行く。グッズやブロマイドも出てるうちに買う。じゃないと後悔する日が来る。」
私のオタクとしての生き方を決めてくれたのは他の誰でもない彼だった。
今日も私は好きな俳優の舞台を2作品見るために高速バスに揺られながらこれを書いている。
どちらの作品にも彼と共演していた俳優が出ていて、どちらも私の好きな俳優。
今日も明日もその先も、きっとまた彼のことを思い出す。
私はこれからも彼の思い出にすがって生きていく。
彼のブロマイドは以下のリンクからまだ購入可能です。
個人的にいちばんルックスが好きだった頃です。
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